熨斗(のし)の種類
日本では古くから様々な慶弔の際に渡す金品には熨斗(のし)というものを付けるのが習わしで、それは21世紀になった現代もまったく変わりません。
お金の場合には熨斗袋という名前の金封を使い、品物には熨斗紙を貼りつけて特別な包装をしてもらいます。
しかしどんな時にはどういう熨斗(のし)を使いどういった表書きをすればよいのかをちゃんと把握出来ている人は少なく、その時になってどうしてよいのかわからず慌てて実家の親に聞いたりネットで調べたりという人も少なくないでしょう。
それくらい細かくいろいろな決まりもあってわかりにくいので、日頃からある程度の知識を頭に入れておくのも大切だと言えます。
この熨斗(のし)の種類は大きく分けると弔事と慶事の2つありますのでそれぞれについてのこまかい種類を見ていきましょう。
弔事の際の熨斗(のし)
仏教の場合は基本的には結び切りの水引のみかあわび結びの水引のみが普通です。
そして水引の色が黒白のものと黄白のものがあるのですが、お通夜、葬儀の時の御供、ご霊前、御香料、御仏前といった表書き、
またはお返しの場合の志、粗供養は黒白の水引に限りますが、同じ表書きでも法要などになると黒白でも黄白でも良いようになっています。
またお寺様に対しては「御布施」という表書きで、やはりお通夜、葬儀時は黒白の水引のものを使い、法要やお盆などの棚経の場合は黄白を使ってもかまいません。
場合によっては同じ金封で御膳料、あるいは御車料という表書きを使うこともあります。
神教では黒白、もしくは双銀の水引となり、表書きは御玉串料と書くのが一般的で、キリスト教では水引なしで無地かあるいは小さな花のイラストが描いてあるタイプの袋に御花代(料)という表書きをつけます。
その他宗教によって(新興宗教の場合など)独自のものを使用する場合もありますので、よくわからない場合は間違いのないように確認する必要があります。
慶事の際の熨斗(のし)
慶事はその種類自体も多く表書きはそれによっていろいろありますが、熨斗(のし)の種類としては紅白蝶結びか紅白結び切りとなり、右上にのしあわびがつくケースが多くなります。
蝶結びの方は、例えば出産や合格祝いなど何度でも繰り返してよいお祝いごとの時に使います。
それに対して結び切りの方は結婚やお見舞いなどのたった一度きりだけを願ってのお祝いに際してのものとなりますが、お見舞いの場合はそのお返しも含めてのしあわびのついていない水引だけのものを使用するのが一般的です。